
安全持続性能の確認項目|スキップフロア・小上がりスペース|岡山のリフォーム・リノベーション会社 ギビングアース
岡山市南区福田のリフォーム・リノベーション専門会社「ギビング・アース」(LIXILリフォームショップ ギビング・アース)です。
いつも弊社のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
今回は安全持続性能におけるスキップフロアと小上がりスペースについてご紹介します。
スキップフロアのメリット・デメリット
スキップフロアは、住まいの中で床の高さを半階層ずつずらすことで、立体的な空間構成を実現する設計手法です。
メリット
この設計によって、限られたスペースをより有効に活用できるという利点があります。例えば、縦の空間を利用して収納スペースを増やしたり、新たな居室空間を創出したりすることが可能です。また、空間に変化が生まれることで、視覚的な広がりを感じやすく、窓の配置を工夫すれば、より多くの自然光を取り入れたり、風通しを良くしたりすることができます。さらに、異なる階層にいても家族の視線が繋がりやすいため、コミュニケーションが自然と生まれるような間取りも実現できます。そして、何よりも空間に立体的な動きが出るため、住まいのデザイン性を高める効果も期待できます。
デメリット
しかしながら、スキップフロアには注意すべき点もあります。通常の床構造に比べて構造が複雑になるため、地震に対する強さなどの構造計算が非常に重要になります。特にリフォームやリノベーションにおいては、既存の建物の構造との整合性を慎重に検討する必要があります。また、階段や段差が多くなるため、小さなお子様やご高齢の方がいるご家庭では、移動の負担が増えたり、転倒のリスクが高まる可能性があります。将来的な家族構成の変化も考慮した設計が求められます。加えて、空間が上下に繋がっている部分が多くなるため、冷暖房の効率が低下する傾向があります。そのため、断熱性能を高めたり、適切な空調計画を立てたりすることが重要になります。そして、構造が複雑になる分、一般的な床構造よりも建築にかかる費用が高くなる傾向があることも考慮に入れる必要があります。
小上がりスペースのメリット・デメリット
一方、小上がりスペースは、床面の一部を一段高くして設けられた空間です。畳を敷いて和の雰囲気を演出したり、ベンチのように腰掛けてくつろいだり、お子様の遊び場として活用したり、下部に収納スペースを設けたりと、多目的に利用できる点が大きな魅力です。
メリット
リビングのような広い空間の中に小上がりを設けることで、空間を緩やかに区切り、落ち着いた雰囲気を作り出すこともできます。また、床下のデッドスペースを収納として活用できるため、収納不足の解消にも繋がります。さらに、空間に立体的なアクセントが加わることで、住まいのデザイン性を高める効果も期待できます。
デメリット
ただし、小上がりスペースにも注意点があります。段差が生じるため、小さなお子様やご高齢の方がいるご家庭では、つまずいたり転倒したりするリスクがあります。また、設置する場所や高さによっては、空間に圧迫感を与えてしまう可能性があります。周囲の空間とのバランスを考慮した設計が重要です。さらに、ある程度の広さが必要となるため、間取りによっては設置が難しい場合もあります。そして、造作工事が必要となるため、通常の床面よりも建築費用が上がることが一般的です。
スキップフロア・小上がりスペースで注意すべきポイント
リビングと寝室には段差を設けない
スキップフロアや小上がりスペースは、注文住宅で人気の高い設計です。
しかし、転倒・転落のリスクがあるため安全持続性能の観点から考えると少し心配な点があります。
そのため、スキップフロアや小上がりスペースを設ける際は、十分に注意点を考慮しなければなりません。
例えば、住宅内で転倒・転落が発生した割合が特に多いのはリビング、次に多いのは寝室です。
理想的なのは、リビングと寝室に段差を設けないことです。
安全持続性能では、スキップフロアやダウンフロアなどの段差を設けなければ、最高基準の☆3つを獲得できます。
小上がりの高さは「大腿骨外側上顆」を目安にする
小上がりスペースを設ける際、一般的に200〜300mmの高さで設定されることが多いです。しかし、実はこの高さは腰掛けとしては少し低い高さで、安全持続性能の観点からすると少し危険に感じます。なぜなら、この高さに腰掛ける際、床にかがむ必要がありますが、かがむ際に転倒する恐れがあるためです。
腰掛けとして活用するなら、大腿骨外側上顆(だいたいこつがいそくじょうか)を目安に、約400mm程度の高さにすることが望ましいとされています。そして、小上がりに上がるために200mm程度のステップを用意すると、より安全に使えます。
ただ、小上がりスペースがあること自体、転落の危険性が伴うため、安全持続性能では☆1つの評価となることは覚えておきましょう。
まとめ
今回は、安全持続性能においてのスキップフロアと小上がりスペースの考え方について解説しました。
家の中で安全に過ごすことを考えると、スキップフロアや小上がりスペースはあまり推奨しておりません。
ただ、「絶対に設置してはいけない」というわけではありません。危険性も理解し、安全に生活するための対策を施せば、スキップフロアや小上がりスペースのある家も快適に過ごせます。
スキップフロア・小上がりスペースのある家づくりについて相談したい方は、当社にお問い合わせください♪