
安全持続性能においての重要項目|階段・段差の設計プラン(前編)|岡山のリフォーム・リノベーション会社 ギビングアース
岡山市南区福田のリフォーム・リノベーション専門会社「ギビング・アース」(LIXILリフォームショップ ギビング・アース)です。
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今回は、安全持続性能の必須項目「階段」「段差」について前編・後編に分解説していきます。
安全持続性能においての優先項目|階段
階段や段差は、安全持続性能の中でもトイレの次に優先順位の高い項目です。
「e-stat(政府統計の総合窓口)」によると、2023年に階段・ステップからの転落およびその上で転倒し死亡した人は625人いました。
家の中でも階段は死亡事故・怪我などが多い場所です。安全に生活していくためにも、階段や段差における安全対策を施すことが重要になってきます。
安全対策として有効なのが、「手すりの設置」です。
安全持続性能では、階段に手すりを設置することが必須項目となっています。
手すりなしのは場合は★を獲得することはできません。最低でも手すりありにすることで★1つ獲得。
推奨基準である★2つ・最高基準の★3つを獲得するためには、足元灯や滑り止めの設置をすることが求められます。
階段の設計案
手すりの設置高さ
手すりの高さを設置する上で重要なのが、「大腿骨大転子(だいたいこつだいてんし)」。
太ももの骨の上端、股関節に近い部分にある大きな骨の突起のことを指します。
手すりの高さは、階段の段鼻から大腿骨大転子までの高さに設置することで、使いやすい手すりとなり、安全に上り下りが可能です。
一般的な住宅だと、大体750mmの高さに手すりが設置されていますが、これだと住まい手の身長によっては使いづらい可能性があります。
家づくりにおいて手すりの高さを決める際は、住まい手の身長や大腿骨大転子の位置を考慮して設置することが重要です。
なお、住まい手の中で身長差がある場合は、「身長の高い方を基準」として手すりの高さを決めましょう。
1段目から手すりの設置を
建築基準法では、1,000mm以上の高さの部分(蹴上高さが200mmなら5段目以上)に手すりを設けなければなりません。
1,000mm以下の段差部分には手すりがなくても法的には問題ないということです。しかし、手すりがないと転倒・転落のリスクを高めてしまいます。
そのため、安全持続性能では1,000mm以下の段差部分にも手すりを設けて、安全に階段を利用できるような設計にすることを推奨しています。
足元灯の設置
階段には窓がないことが多く、昼間でも足元が暗くて見えづらいことが多いです。足元が見えづらく、足を踏み外してしまうと転落の危険性があるため大変危険です。
安全持続性能では、★2つ・★3つを取得するためにも、足元灯の設置をしなければなりません。尚且つ、階段の中央付近で段差が照らされる位置、1階・2階床面が照らされる位置に設置することで、より安全に利用できる階段を実現できます。
また、足元灯は人感センサー・光センサータイプを選びましょう。
人が通った時に勝手に点灯するので付け忘れ・消し忘れの心配もありません。
人的操作だと照明を付け忘れてしまう可能性もあるので、ヒューマンエラーによる階段転落を防ぐためにも、人感センサー・光センサータイプを取り入れてください。
滑り止めの設置
階段から転倒する原因で多いのは、「踏み外し」。その次に多いのが「滑り」です。
階段からの転倒・転落を防ぐためにも、段差部分に滑り止めを設置しましょう。
最近の階段では、滑り防止の溝が彫ってあるものも多いですが、これだけでは不十分です。
ゴム製滑り止め材を取り入れることでより安全な階段を設計できます。
子供の安全のために
スケルトン階段のように、手すり子同士の間が空いている階段は、見た目にはとてもおしゃれです。
しかし、手すり子同士の間が空いていると、そこから小さな子どもが転落する危険性が隠れています。
子どもが転落しないようにするためにも、手すり子の間隔を狭めることが重要です。安全持続性能では、未就学児がいる家庭の住宅では手すり子同士の間隔は90mm以下にすることを基準としています。
また、最近では、蹴込み板のない階段も人気です。隙間の空いたオープン階段は開放感があっておしゃれですが、やはり子どもには危険なデザインでもあります。
安全持続性能では、未就学児のいる家庭のオープン階段には防護ネットを設置することを求めています。
また、小さい子どもが勝手に階段に上らないようにベビーゲートを設置するなどの対策も施しましょう。
ここまでが、階段に関する説明です。
次回のコラムでは、「段差」に関して詳しく説明していきます!